主語の「は」と「が」の使い分け

参考資料:
新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング できるビジネスシリーズ


著者:唐木元(からき げん)

1974年東京都生まれ。株式会社ナターシャ取締役。大学在学中よりライターとして働き始める。卒業後は事務所「テキストとアイデア」を開設、雑誌を中心に執筆・編集の現場に従事した。2004年より編集者として、ライブドア・パブリッシング、幻冬舎、KI & Company(ジーノ編集部)と3つの出版社に勤務。2008年、株式会社ナターシャに参加し、編集長として「コミックナタリー」「おやつナタリー(終了)」「ナタリーストア」を立ち上げた。
参考:cakes

「は」と「が」はどちらも主語を示す機能を持つ助詞です。

「は」と「が」はどちらも主語を示す機能を持つ助詞です。
あなたはこの2つを文法上で上手く使い分けることができていますか?
使い分けることによって、より奥深い文章がかけるようになるでしょう。

では、さっそく例をみてみましょう。

アーティスト A 1年ぶりに来日する。

アーティスト A 1年ぶりに来日する。

2つの例文を見比べてみて、より事実を知らせるニュース記事にふさわしいのはどちらの文だと思いますか。下の例文のように「アーティスト A が」としたほうが、現象を端的に述べた一文だと感じられないでしょうか。

「は」と「が」はどちらも主語を示す機能を持つ助詞ですが、「は」には「主題の提示」というより大きな機能があります。このため、「が」のほうが主題を限定する機能が強く、「は」のほうがさまざまな含むを持つ表現になります。

主題を提示する「は」は、「~についていえば」と言い換えても成り立ちます。まず主題を立てて、それに続けて説明や判断を述べる構造になっていることを意識してください。

「空は青い。」と言えば、「空というのは青いものだ」と主題に対する一般論を述べる感覚になりますし、「空が青い」と言えば、眼の前の現象をありのままに描写する感覚になります。

また「は」には対比の意味もあります。冒頭に示した例文でも、次のような言外の対比を読み取ることができます。

アーティスト A 1年ぶりに来日する(が、別のアーティスト B 来日しない)。

対比を表す用法も、結局は「主題の提示」から派生しています。

「アーティスト A はについてはこうで、アーティスト B についてはこう」と、類似のいくつかの可能性の中からひとつを取り上げているわけです。

これに対して「が」は、主語の適用範囲が狭く、明確です。たとえば複文ではひとつの節の中でしか係りません。

ゲームをするとき、よくイライラしている。

ゲームをするとき、よくイライラしている。

「父は」の場合、イライラしているのも父です。「父がゲームをするとき」とすると、そこで係り受けが切れて、イライラしているのは母や私かもしれないという状態になります。

「は」と「が」の使い分けは文法上の奥深い問題ですが、「は」は主題の提示、と覚えておくとひとつの目安となるでしょう。

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新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング できるビジネスシリーズ


著者:唐木元(からき げん)

1974年東京都生まれ。株式会社ナターシャ取締役。大学在学中よりライターとして働き始める。卒業後は事務所「テキストとアイデア」を開設、雑誌を中心に執筆・編集の現場に従事した。2004年より編集者として、ライブドア・パブリッシング、幻冬舎、KI & Company(ジーノ編集部)と3つの出版社に勤務。2008年、株式会社ナターシャに参加し、編集長として「コミックナタリー」「おやつナタリー(終了)」「ナタリーストア」を立ち上げた。
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