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ロジカルシンキングのその先のを手に入れたいあなたに必要な仮説検証力とは?| ロジカルプレゼンテーション | 要約 | 3

参考資料:

ロジカル・プレゼンテーション――自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」

著者:高田 貴久 

出版社:英治出版

前回の記事にて論理思考力は、仮説検証力や問題解決力などすべての基礎となる、最重要スキルというお話をしました。

本記事では、ロジカルシンキングのその先、仮説検証力についてお話していきます。

この仮説検証力さえ身につければ、顧客にプレゼンできる話のネタはバッチリなものとなるでしょう。

仮説検証力とは何か?

論理思考の落とし穴

主張が「論理的に正しい」からといって、「相手が納得する」とは限りません。

相手が納得しない理屈を必死でこねることを「論理のための論理」、あるいは「屁理屈」と一般的に言いますよね?

実はこれまでお話してきた「論理思考」そのものは、手段であって目的ではありません。「論理思考」はあくまで基本的な能力で、それだけですべてが解決できると思ったら大まちがいなのです!

相手の疑問に答えるという作業は、2つのプロセスから成り立っています。

  1. まず、相手の疑問を知る
  2. 次に、その疑問に対して答える

1.まず、相手の疑問を知る

相手の疑問を知るために探りを入れるプロセスを「論点を出す」といいます。

2.次に、その疑問に対して答える

その疑問に対する客観的な答えを準備し、相手の疑問に答える」というプロセスを「仮説を検証するといいます。
皆さんは仮説検証という言葉を耳にしたことがあると思うが、その意味をきちんと説明できる方は意外に少ないのではないでしょうか?

仮説検証とは、まずは相手の論点を洗い出し、仮の答えを推測した上で、それに対して答えるための客観的な証拠を準備することだと私は理解しています。

仮説検証ができていないとどうなるのでしょうか。

そのパターンが2つあります。

  1. 「絨毯爆撃」
  2. 「根拠なき断言」

1.「絨毯爆撃」

これは「論点を出す」部分ができていないパターンです。この場合、相手がどこに希望を持っているか議論のポイントが何なのか分かっていないので、とにかくしらみつぶしに考えられる質問項目全てに答えていくしかありません。

確かに「相手の疑問に答える」という意味ではあらゆる作業をこなし、全ての質問に対する答えを準備するというやり方もなくはないでしょう。

しかし、このやり方だと本来しなくてもよい無駄な作業をたくさん行うため明らかに非効率的ですよね?

また、相手から見ても知りたくもない情報が山のように盛り込まれており、かなり理解しづらいはずでしょう。

心に響く内容にしようとすると、それこそ「絨毯爆撃」に考えられる全ての内容を資料にしなければならず、膨大な手間がかかる。このように、仮説を立てることができなければ、いくら時間があっても足りないという状況に陥ってしまうでしょう。

2.「根拠なき断言」

これは「仮説を検証する部分」ができていないパターンなのです。
この場合、相手の希望を探り当て、あてずっぽうで一応答えてはいます。

しかし、客観的な証拠が伴っていないので、その答えが本当に正しいかどうかは誰にもわからないし、説得力もありません。

これでは疑問に答えたことにはならないので、相手の疑問に的確に答えるためには、「仮説検証」がきちんとできることが、やはり必要なのです。

仮説検証の5つのステップ

実際に仮説検証を行う場合、5つのステップでの検討が必要になります。

1の「相手の疑問を知る」ために探りを入れるという部分で1〜2の2つのステップ

2の「その疑問に対する客観的な答え」を準備するという部分で3〜5の3つのステップが必要になります。

仮説検証型思考は、必ず以下の5つのステップで進めましょう。

  1. 目的
  2. 論点
  3. 仮説
  4. 検証
  5. 示唆

1.目的を理解する

コミュニケーションをとるときの相手の目的は主に2種類です。

  1. 話相手に何か意思判断をしてもらいたい
  2. ただ単に聞いてもらいたい

まずはどちらの目的なのかを判断し、「相手の要望の理解」することが始まりとなります。

「相手の要望の理解」のためには「話を聞くこと」が大切となってきます。

もう一つ重要になるのは「議論のスタンスのとり方」です。

「議論のスタンス」には「押し切り型」と「引き出し型」の2つがあります。

「押し切り型」は強く論点に対する結論を主張し、そこから言えるアクションプランに対して実行の意思判断を促すケースです。「引き出し型」は相手に自発的に行動するにはどうすればよいかをヒアリングを行いながら引き出す一種のコーチングのようなものです。

ビジネス上では「押し切り型」で、相手になんらかの意思判断を求めることが必要となってきます。

ポイントとして、「押し切り型」意思判断を求めるためには、相手がアクションプランをイメージしやすいように具体的な話で締め括りましょう。

「押し切り型」提案ができるようになるには、論理思考力の強化だけでは不十分で、相手の気持ちを理解し、興味を持っていただける内容にしなければなりません。相手が一緒になって協力しくれる仕組みを提案することで、お互いにWinWinの関係を気づきつつも、さらにその提案を飲むメリットと、協力し合うことで見えてくる先の明るいビジョンを共有することで、「この人の要求を飲むことは自分にとって得なことになるな」と思ってもらえるようになります。常日頃からの相手との信頼関係を築くが重要となります。

2.論点を把握する

論点とは、相手の意思判断に影響をおよぼす判断項目です。
論点を外してしまう場合に以下の4つのパターンしかありません。

  1. 目的を理解できていない場合
  2. 相手の要望が理解できていない場合
  3. 具体的な判断項目が出せない場合
  4. 相手がすでに答えを持っているところに意見してしまう場合

論点を外さないための対策は次の通り。

  1. 目的をきちんと理解する
  2. 横の論理構築力を磨く
  3. 相手の知識・経験レベルを把握

論点がうまくかみあわないときは、上記をチェックポイントとして参考にしていただき、原因がどこかをよく考えてから手を打つようにしましょう。

3.仮説を構築する

仮説とは、論点に対する自分なりの「ヤマカン」の答えになります。
仮説を理解するには、以下の三点に注意しましょう。

  1. 論点に対する仮の答えが「仮説」。論点のないところに仮説はありません。
  2. 「仮説」とは、限られた情報に基づく仮の答えで、理由の全く無い「あてずっぽう」とは違うのです。
  3. 「仮説」とは、客観的な裏づけに欠けるため、「答え」や「結論」とは違います。

仮説がないと「「絨毯爆撃」や「根拠なき断言」が発動してしまうので、有用性のある仮説の中から選択肢を絞り、検討の効率を高めるためにどうしても仮説が必要となってくるのです。また、「考える労力」を相手に押しつけないためにも、仮説を持って話すことが重要になります。

仮説を出すためには、なんらかの情報が必要。仮説は無からは生まれません。
ポイントは情報のトレンドや数値の比較などを見ていく中で何らかの気付きがあると思います。その気付きの中から、何が言えるのか?を考えると仮説が生み出しやすくなります。
仮説を出すためには、論点を頭に入れ、つねに答えを意識しながら、数値や情報を眺めるようにしましょう。

さらに、縦横の論理が使いこなせれば、仮説が広がり、その精度も高まるようになります。

4,検証を実施する

検証は、「仮説」の正しさを裏付けるために必要です。
「仮説」が正しいかどうかを証明するには客観的な事実と論理があれば、証明することができます。

「正しい論理」の作り方についてはこれまでご説明してきましたが、検証には「動かぬ証拠」となる事実も収集して分析しなければなりません。膨大な作業がかかるため、目的を忘れがちになってしまうこともあります。必ず、目的と論点とどんな仮説のための検証かを振り替えれる状態はつくっておきましょう。

また、検証とは、8割の当たり前を証明し、2割の気づきを生み出すものです。
当たり前のことを証明していく作業が多いのですが、当たり前のことをきっちり揃えていくことで「動かぬ証拠」となます。

大変な作業ですが、検証ができれば議論が決着し、話が進むようになります。

検証を行ううえのコツは、意図的に「強いファクト」を入れるように心がけることです。
ファクトとは「どこからでてきた、どんなデータか」を指し示す事実のことです。
ファクトとしては「定量情報」「一次情報」「第三者情報」の組み合わせが最強になります。

※「一次情報」とは、「世の中に今まで存在しないところを、直接手足で稼いだ情報」で、営業担当者の集めた顧客情報、分解調査した製品情報などがこれにあたります。「二次情報」とは、誰かが手足で稼いだ情報をまとめなおした情報のことで、新聞記事、調査レポート、書籍、社内にあるまとめられた数字などがこれにあたります。どちらが強力かといえば、一次情報だということはいうまでもないでしょう。

5.示唆を出す

「示唆を出す」とは簡単にいえば、「自分の言いたいこと、結論をまとめる」という意味である。
今までの流れでは、まず相手の疑問を察知して論点を出し、前情報をもとに仮説をたて、いろいろな分析を経てその仮説の裏づけを集めて検証をしてきたわけであるが、最後に「それで全体を通して何が言いたいのか」をきっちりまとめて相手に伝えなければ、尻切れトンボの提案になってしまう。そういった意味で、「示唆を出す」とは、この仮説検証思考プロセスの集大成ともいえる重要な部分であると言えますよね。

示唆は、仮説に対する「答え」でもないし、「勝手な主張」でもありません。

示唆は論点に対して100%の「答え」は出せていないのですが、相手の疑問、すなわち論点の範囲を絞り込むもためのものなんですよね。
何か分析をして結果が出たとしても、それはあくまでも「論点に答えるために必要な論理でつながった多くのファクトのうちの一つ」、すなわち「論点を絞り込むために役立つ情報」である「示唆」という位置づけであることを認識しておいてください。

また、示唆を出すためには次の3点に留意することが必要となります。

  1. 目的と論点をきちんと理解しておきましょう。
  2. 論点の絞り込みに集中しましょう。
  3. 検証不能な作業設計をしてはいけません。

完璧なファクトを作り出せない限り、完璧な「答え」はほとんどの場合出せないものです。
しかし、一部のファクトだけを述べ「だから、対抗策を講じたほうが良いのでは?」と方向性をだすこと、つまり「示唆」を出すことができさえすれば前に進みます。

 

以上の5つのステップが仮説検証力となります。いかがだったでしょうか?
この仮説検証力さえ身につければ、顧客にプレゼンできる話のネタはバッチリなものとなるでしょう。

参考資料:

ロジカル・プレゼンテーション――自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」

著者:高田 貴久 

出版社:英治出版

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